今回は、具体例を交えながら「漢方薬との付き合い方・考え方」についてお伝えします。
漢方を飲んだことがある方なら、
「同じ漢方薬なのに、飲みやすい人と飲みにくい人がいる」
という経験をされたことがあるかもしれません。
実はこれ、年齢や体質の違いによって本当に変わります。
まずは有名な風邪薬「麻黄湯」と「葛根湯」
「虚証」「実証」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
ものすごく大ざっぱに説明すると、
- 虚証:体力・筋力が弱めで、胃腸もあまり強くないタイプ
- 実証:体格がしっかりしていて、胃腸が強いタイプ
漢方ではまず、この大きな体質の傾向をふまえて考えます。
虚証の人が麻黄湯・葛根湯を飲むと?
例えば 虚証の人 が麻黄湯や葛根湯を飲むと、
- 胃もたれ
- 動悸
- 何となく不快
といった症状が出ることがあります。
一方で 実証タイプの人 は、特に問題なく飲めてしまうことも多いのです。
「見た目は実証」でも、その日の体は虚証?
興味深いのは、
見た目や体格と、その時の“証”が一致しないことがある
という点です。体格がよくがっしりした人でも実は虚証だったりします。
本格的な漢方診療では、腹診や脈診を行い「証」を判断します。
しかし一般的なクリニックでは、そこまで時間をかけることは難しく、
- 外見
- 問診
- 症状の経過
を総合して判断し、処方されることがほとんどです。
私自身の体験:若い頃は葛根湯が飲めなかった
私も20〜30代の頃は、肉類があまり好きではなく、痩せていました。
今振り返ると、典型的な虚証だったと思います。
そのため葛根湯を飲むと、
動悸や胃もたれが起こり、とても飲みにくかったのです。
ところが年齢を重ね、食生活が変わり、現在は肉食中心。
体質が変わった結果、
葛根湯も麻黄湯も問題なく飲めるようになりました。
体質は変わる。だから決めつけない
同じ人間でも、
- 飲める時期と飲めない時期がある
- 以前は効いたのに効かなくなる
- 昔は副作用が出たのに今は平気
- 季節や疲労で虚実が揺れることもある
こうした変化は、決して珍しいことではありません。
ですから、
「この漢方は合わない」と決めつける必要はありません。
体質が変われば、再び合う可能性も十分にあります。
