― 抗うつ薬の代表格をやさしく解説します ―
「SSRIって聞いたことはあるけど、正直よくわからない」
外来でも、そんな声をよく聞きます。
SSRIはうつ病や不安障害の治療でよく使われるお薬の一種です。
名前はちょっと難しいですが、考え方は意外とシンプルです。
そもそもSSRIとは?
SSRIはSelective Serotonin Reuptake Inhibitors (選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の略です。
簡単に言えば「脳の中の“セロトニン”という物質を増やすお薬」
と考えてください。よく勘違いされますがSSRI自体はセロトニンでもなんでもありません。
セロトニンの再取り込みを邪魔する事で自分がアミノ酸から作り出したセロトニンを貯めるお手伝いをするだけです。
セロトニンは
- 気分を安定させる
- 不安や緊張を和らげる
- 睡眠や意欲に関係する
といった、こころのバランスにとても大事な物質です。
SSRIは、ゆっくりとセロトニンの濃度を上げることで、
落ち込みや不安を少しずつ改善していきます。
どんなときに使われるの?
SSRIは、うつ病だけでなく、いろいろな病気に使われます。
たとえば
- うつ病
- パニック障害
- 社交不安障害
- 強迫症(強迫性障害)
- PTSD(心的外傷後ストレス障害)
「気分が落ち込む」「不安が強い」状態全般に幅広く使われています。
すぐ効く薬なの?
これはとても大事なポイントです。
SSRIは飲んですぐ効く薬ではありません。
多くの場合
- 効果を感じ始めるまで 4〜6週間
- 安定するまで 2か月
くらいかかります。
これは「効いていない」のではなく、
セロトニンがたまり脳がゆっくり調整されている途中と考えてください。
副作用はあるの?
あります。ただし、多くは一時的で軽いものです。
よくあるのは
- 吐き気、胃のムカムカ→大抵は4-5日で軽快します
- 眠気 or 目が冴える
- 最初だけ不安が強くなる感じ
特に飲み始めの1〜2週間に出やすく、
続けるうちに自然に落ち着くことが多いです。
「合わないかも」と感じたら、
自己判断でやめず、必ず主治医に相談してください。
依存性はあるの?
これはよく誤解されますが、
SSRIには依存性はありません。
お酒や睡眠薬のように
「欲しくてやめられない」薬ではありません。
ただし、急にやめると体がびっくりすることがあるため、
やめるときは少しずつ減らすのが大切です。
まとめ
- SSRIは気分や不安を整える薬
- 効果はゆっくり出る
- 副作用は最初だけのことが多い
- 依存性はない
- 困ったら必ず医師に相談を