結論:原則もらえません
外来でよく聞かれます。
「傷病手当金をもらいながら、失業保険も申請できますか?」
結論から言うと、原則は不可です。
理由はとてもシンプルで、2つの制度の前提が正反対だからです。
なぜ同時にもらえないの?
傷病手当金の前提
- 病気やケガで
- 働くことができない状態
→「就労不能」が条件
失業保険(基本手当)の前提
- 失業している
- 働く意思と能力がある
- 求職活動をしている
→「就労可能」が条件
まとめると、、、
| 制度 | 前提 |
|---|---|
| 傷病手当金 | 働けない |
| 失業保険 | 働ける |
同じ期間に、
「働けない」と「働ける」を同時に満たすことはできません。
では、どう切り替えるの?
多くの患者さんは、次の流れになります。
① 働けない間
→ 傷病手当金
- 休職中
- 退職後でも条件を満たせば継続可
- 医師の「労務不能」の判断が前提
② 働ける状態になったら
→ 失業保険
- ハローワークで
- 受給期間延長の「解除」
- 求職申込み
- 医師の「就労・求職活動可」の判断が前提(A4サイズの紙をくれます、退職日、勤務可能日等わかる範囲で鉛筆で記入して医師に診察時に渡すと良いです)
*ポイント*
同時ではなく「段階的に切り替える」
これが制度上の正解です。
例外はある?よく聞かれるケース
Q. 傷病手当金が終わった翌月から失業保険は?
→可能です
- 傷病手当金の支給終了
- 働ける状態になった
- 失業保険の要件を満たす
例えば3月31日まで傷病手当金を申請。4月1日から就労・求職活動可で大丈夫です。
この場合は問題ありませんが皆さんかなり気にされます。
Q. 軽い症状で通院中だけど失業保険は?
→「働けるかどうか」が判断基準です
- 通院している=アウト ではない、正直に「通院中ですが働ける様になった」と伝えた方が良いです。
- 求職活動ができるかどうか
- ハローワークの判断も影響します
※ 医師の意見書が求められることもありますが簡単な書類で済みます、私は診察時に書類を受け取り診察しながら記載してお渡していいます。
Q. 精神疾患の場合はどうなる?
→ 特に慎重な判断が必要
- 医学的には「まだ不安定」
- 本人は「働けそう」と感じている、またはお金が心配なので無理にでも働きたい。
- ハローワークは「求職可能か」を重視
→このズレが一番トラブルになりやすいところです。
よくある誤解
❌「退職したから失業保険が出る」
❌「傷病手当金と少し重なっても大丈夫」
→ 実際には
- 状態に応じて
- どちらか一方だけです!!
いつも患者さんに言っていること
「今は“働けない状態”なので傷病手当金です。
働ける状態になったら、失業保険に切り替えましょう。」
制度の話を細かくするより、
「今は働ける?働けない?」
この軸で整理すると、皆さんもわかりやすいのでは。
まとめ
- 傷病手当金と失業保険は 同時にもらえない
- 理由は「制度の前提が真逆」だから
- 実際は
傷病手当金 →(回復)→ 失業保険
という段階的利用が基本です。