前回、
加味逍遙散+抑肝散+加味帰脾湯
この3剤の合わせ技が、当院におけるPMSの基本処方であることをお伝えしました。
今回は、具体的な使い方と、どのようなタイプのPMSに効きやすいかについて説明します。
処方の実際
実際の処方は、上記3種類をそれぞれ1包ずつです。具体的には以下のように処方します。今回はすべてツムラのエキス剤です。
抑肝散 2.5g 1包
加味帰脾湯 2.5g 1包
加味逍遙散 2.5g 1包
1日1回朝食前内服
内服時間は朝食前でなくても構いません。患者さんの生活リズムに合わせ、好きな時間にまとめて服用してもらっています。
※注
県によっては、漢方3剤併用の場合、症状詳記がないと保険で認められないことがあります。
内服がつらい場合の工夫
胃もたれが出る方、あるいは「漢方を3種類まとめて飲みにくい」と感じる方には、目分量で3種類を半分ずつにして服用してもらいます。
厳密さよりも、継続できることを優先します。
どんな人に効きやすいか
あくまで印象ですが、20代の方よりも35~40代のPMSの患者さんに対して、効果がはっきり出る事が多いと感じています。
また症状としては、
生理前に、突然理由もなく「消えていなくなりたい」と感じる、いわゆる闇落ち
夫を見ると無性にイライラする
生理が終わると、自分の言動や感情の起伏の激しさに後悔する
このように、気分変動がはっきりしていて、周期性が明確な方に効きやすい印象です。
効果判定の考え方
初回は、3種類を1か月分処方し、生理期間をまたいで内服してもらいます。
初回から効果が出る方がほとんどです。
一方で、2か月服用して効果が不十分な場合は終了とし、SSRIの開始などを患者さんに提案します。
効果があった場合の次のステップ
効果があった患者さんには、2〜3か月内服を継続した後、引き算を始めてもらいます。
具体的には、
生理前に不調が強い方
排卵日に不調が出る方
生理中に不調が出る方
それぞれの不調が出る時期を含め、その5〜7日前からスポット的に内服してもらいます。
毎日内服したほうが合うのか、スポット内服でも効果が変わらないのか、実際の体感を患者さんから聞いたうえで、
毎日内服か、スポット内服かを一緒に決めていきます。
更年期障害には使えるの?
→使えます
更年期障害の入口あたりに効く印象が強いです。何かとイライラするといった45才~50代の方に処方します。生理周期がある程度保たれている方はスポットでもいけますが、生理が不規則、あるいは症状が継続する場合は定期処方として毎日飲んでいただく事が多いです。
以上が当院のPMSに対する漢方薬治療のスタンスです。少しでもご参考になれば幸いです。