「夜になると考えごとが止まらない」
「眠れないまま朝を迎えてしまう」
「月経前になると、心も体もつらくなる」
こうした“こころと体が同時に疲れている状態”に使われてきた漢方薬のひとつが、加味帰脾湯です。
加味帰脾湯はどんな漢方?
加味帰脾湯は、
心身が消耗している人の“回復”を助ける処方です。
特に、
- 眠れない
- 気持ちが不安定
- 疲れやすい
- 集中力が続かない
といった状態が重なっているときに選ばれることが多い漢方です。
精神科領域での使われ方
精神科の臨床では、漢方薬は
「命に関わらない状態」 において、西洋薬に劣らない効果を示すことがあります。
加味帰脾湯が使われる代表的な場面は、
- 軽度〜中等度の不眠
- 神経症的な不安
- 悲嘆反応
- 月経前緊張症(PMS)
などです。
特徴的なのは、一つの処方で複数の症状に対応できる点です。
加味帰脾湯は、不眠にもPMSにも使われることがあります。
ベンゾジアゼピン減量のサポートとして
近年、睡眠薬や抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)の長期使用が問題になることがあります。
加味帰脾湯を併用することで、
- 不眠や不安の“底上げ”を防ぎながら
- 西洋薬の減量を検討できる
というケースも報告されています。
もちろん、自己判断で薬を減らすことは避けるべきですが、補助的な選択肢として漢方が役立つ場面は少なくありません。
効きやすい人・合いにくい人
効きやすい傾向
- 体力が落ちている
- 考えすぎて眠れない
- 心配性で疲れやすい
合いにくいことがあるケース
- 強い興奮状態
- 急性の精神運動興奮
- 重度のうつ状態や希死念慮が強い場合
こうした場合、漢方単独では不十分で、西洋薬による治療が必要です。
安全面と注意点
加味帰脾湯は比較的安全性の高い漢方薬ですが、
甘草(カンゾウ)を含むため、
- 低カリウム血症
- むくみ
- 血圧上昇
などには注意が必要です。
他の薬との併用は多くの場合可能ですが、必ず医師の判断のもとで使用してください。
まとめ
加味帰脾湯は、
- こころが疲れている
- 眠れない
- 不安やPMSが重なっている
そんなときに、穏やかに全体を整える漢方です。
「強い薬はまだ抵抗がある」
「今の治療を少し楽にしたい」
そんな場面で、選択肢のひとつになり得ます。