漢方と西洋薬はどう違うの?どう併用するの?
こんにちは。
今回は、患者様からもよく質問をいただく
「漢方と西洋薬は一緒に使って大丈夫?」というテーマを取り上げます。
結論から言うと……
併用できるケースはとても多いのです。
ただし、ポイントを知っておくと安全で効果的です。
西洋薬は「症状にピンポイント」
漢方薬は「体質やバランスにアプローチ」
西洋薬は即効性があり、症状を短時間で改善させるのが得意です。
一方の漢方薬は、即効性のあるものからゆっくりと体質を改善していくものまで様々です。
眠れない人 → 睡眠薬+漢方薬で不安や睡眠薬の効果をあげる
PMSで気分が不安定 → 漢方で体質改善+必要に応じてSSRIや抗不安薬などの西洋薬
というように、働きが“かぶらない”ので併用しやすいのです。
よく併用される漢方
加味帰脾湯(カミキヒトウ): 不眠、疲れやすい、PMS
抑肝散(ヨクカンサン): イライラ、興奮しやすい
柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ): 不安、動悸
五苓散(ゴレイサン)、呉茱萸湯(ゴシュユトウ): 頭痛、吐き気
一つの処方で複数の症状に効くのが漢方の特徴です。
併用するときの注意点
漢方薬にも副作用があります。
特に知っておくべきは生薬成分の中の次の2つです
1)甘草(カンゾウ)
血圧上昇・むくみ・低カリウム血症の原因に。
→ 利尿薬、ステロイド、多剤併用のある人は要注意
2)麻黄(マオウ)
交感神経を刺激するので
動悸・不眠・興奮などが出ることがあります。
→ 気管支拡張薬や甲状腺の薬を飲んでいる人は注意
→エフェドリンが生じるのでスポーツ競技のドーピング検査にひっかかってしまいます。各大会で規定が異なるため事前に内服可能か調べる必要があります
特別な注意が必要な漢方
小柴胡湯: 肝疾患・インターフェロン治療中は禁忌
甘草高含有処方: むくみ・不整脈リスク・偽アルドステロン症(高血圧、むくみ、低カリウム血症)
ダイオウ含有: 妊娠・授乳で注意(乳児が下痢することも)

次回予告
次回は「妊娠・授乳中に使える漢方」をわかりやすく解説します。