天候・むくみ・二日酔いに強い「水分調整の漢方」
五苓散は、体の中の「水の巡り」を整える代表的な漢方薬です。
東洋医学では「水滞(すいたい)」と呼ばれる、水分バランスの乱れによって起こる症状に用いられます。
特徴は、
水分を一方的に出すのではなく、「必要なところには残し、余分なところからは引く」
という調整型の作用にあります。
五苓散の構成生薬と作用のイメージ
五苓散は以下の5つの生薬から構成されます。
- 沢瀉(たくしゃ):余分な水分を排出
- 猪苓(ちょれい):利水作用、浮腫の改善
- 茯苓(ぶくりょう):水分代謝の調整、めまい・不安感
- 蒼朮(そうじゅつ):消化管の水分調整
- 桂皮(けいひ):血流改善、冷えの改善
単なる「利尿剤」ではなく、
全身の水の偏りを是正する処方である点が五苓散の本質です。
こんな症状のときに使います
五苓散は非常に守備範囲の広い漢方です。守備範囲が広く使いやすいので、私は旅先に必ず帯同する漢方です。特にダイビング、登山をやられる方には親和性が強い漢方薬だと思います。
- 天候の変化で悪化する頭痛
- めまい、ふらつき
- むくみ(顔・手足)
- 下痢(特に水様性)
- 吐き気、嘔吐
- 二日酔いによる頭痛・不快感
西洋医学的な診断名に縛られず、
「水分の偏りが関与していそうか?」という視点で考えると使いやすい漢方です。
【臨床での実感】五苓散が効きやすい人の特
天候が悪いと頭痛、ブレインフォグ的な症状のある方、
年末年始お付き合いで飲酒量が増えて顔がむくむ、
二日酔いの頭痛と広く使えます。
また下痢等体の水分のバランスを調える漢方です。
実臨床では、
- 低気圧・雨の日に調子が悪くなる
- 頭が重い、ぼーっとする(ブレインフォグ)
- 飲酒後に顔がむくみやすい
といった訴えのある方に、五苓散が驚くほど合うことがあります。
特に年末年始や連休明けは、
飲酒+生活リズムの乱れ+むくみが重なり、
「二日酔いが長引く」「頭痛が抜けない」というケースが増えます。
このような場面で五苓散は非常に使いやすい漢方です。
下痢に対する五苓散の使いどころ
五苓散は、
「出すべき下痢を無理に止めない」という点が重要です。
- 食あたり
- 冷え
- 水分過多
による水様性下痢では、
腸管内の水分バランスを整えることで自然に改善するケースがあります。
五苓散はこんなときに選びたい
- 天候と体調が連動している
- むくみと頭痛がセットで起こる
- 飲酒後に不調が残りやすい
- 「水っぽい症状」が目立つ
こうした場合、五苓散は第一選択になりやすい漢方です。
まとめ
五苓散は、
頭痛・むくみ・下痢・二日酔いと、
一見バラバラに見える症状を
「水分バランスの乱れ」という共通軸で捉える漢方薬です。
天候や生活習慣の影響を受けやすい方にとって、
非常に頼れる処方のひとつと言えるでしょう。